地下に風景を作る窓

テナントビルの地下に計画したイタリアンレストラン。厨房と客席が一体となった、オーナーシェフの自宅に常連客を招くような雰囲気の店が望まれていましたが、計画スペースには分厚い構造壁がありまた地下室のため窓も無く、いわゆる家のような雰囲気とはかけ離れた条件でした。石膏ボードで躯体をすべて覆い尽くしてしまう一般的な内装デザインでも、躯体をすべて現しにするリノベーション的な方法でも、家らしさのある空間にするには難しいと感じました。
そこで既存躯体の一部を抽出して「家」を構成する要素に見立てることができないかと考えました。コンクリートの構造壁をトリミングするこれで「窓」のようにして、奥をすべて黒く塗装することで、窓の外の夜のテラスのようなスペースとしました。窓の手前のスペース 「棟木」に見立てたコンクリートの梁に勾配天井を掛けることで、家の中のような空間となります。窓を突き抜ける大きなダイニングテーブルの手前側は家の中で賑やかに食事をする場所、奥はほのかな光のなかでゆっくりとお酒を飲む場所です。
シェフの家に招かれて過ごすリビングルームと、夜の帳がおわったテラスのような場所といい対比的な空間が、互いに窓から見える風景となり、小さな店の中に空間の詩的な関係性を作り出すことを目指しました。

Concerto

飲食店・イタリアンレストラン/東京都渋谷区上原

Use : restaurant
Building site : Yoyogiuehara,Tokyo
Total floor area : 58.06㎡
Award : JCD design award2013新人賞(日本商環境デザイン協会)
Photo : Koji Fujii/Nacasa and Partners Inc.

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