清潔感をつくる曲面の壁

群馬県中之条町の中心市街地の公衆トイレを建て替えるプロジェクト。敷地は林昌寺という中之条に古くからあるお寺の駐車場の一角である。アートの町に相応しい町のシンボルになるようなものであると同時に、公衆トイレの陰気な雰囲気をなくし明るく快適なトイレとすることが望まれていた。公衆トイレという性格上メンテナンスの問題から木材を多用するといった方法ではうまくいかない。そこで、空間の陰影をデザインすることで陰気さを取り払うことを考えた。通常の矩形のトイレでは、空間の角に影ができそこに水や汚れ、時には蜘蛛の巣がはって陰気な雰囲気をつくりだす。この角をなくし、トップライトからの自然光が室内の壁をやわらかく照らすことで、明るく快適な空間が公衆トイレでも実現できると考えた。

人の流れと距離感を作るかたち

男子トイレと多目的トイレ兼女子トイレの2つを円弧形状にし、S字型につなぐことで適度な距離感を作り出し、歩道側と駐車場の2方向からの人の動線を受け止める形にもなっている。また曲面壁は道路から駐車場への人と車の流れをスムーズに導くことができる。10㎡にも満たないとても小さな建物であるが、敷地周辺の人や車の流れ、建物の中の快適性、町の中でのシンボル性といった様々な要素を統合するかたちとなった。

伊勢町公衆トイレIsemachi public Toilet

公衆トイレ/群馬県吾妻郡中之条町

Use : public toilet
Building site : Gunma
Total floor area : 8.3㎡
Photo : Koji Fujii/Nacasa and Partners Inc.

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