柔らかさをまとわせる

築50年が経ったゴルフ場のクラブハウス棟の全面改修のプロジェクト。
女性ゴルファーや若年層など幅広い世代が利用できるようにイメージを一新し、DX化の推進などコロナ禍を経て変化しつつある昨今のゴルフ業界の需要に合わせた改修を目指した。
外観は既存建物を囲うように、分厚いコンクリートの壁から押し出したような庇の形エントランスゲートを設け、利用者を迎え入れるゲートの役割や車寄せの庇とした。奥行き4mの庇を支柱を立てずに片持ちで実現し、壁の端部を丸く仕上げることで、やわらかな曲線でつながった一体成型の大きな土の塊を思わせるデザインに仕上げている。
既存建物の外壁にはルーバーを取り付けることで、露出した設備配管や設備機器を隠しながら、エントランスゲート、ルーバー、既存建物という3つのレイヤーを作ることで、コンクリートの構造体だけの武骨な印象の建物に、重ね着をするように柔らかさをまとった外観とした。
エントランスホールは、円形の折り上げ天井を設け、木製ルーバーやアースカラーの左官仕上げで、素材感のある上質な雰囲気を演出した。ロビーは、曲面で仕上げた柱のあるショップスペースが両脇に広がり、中央にはゆったりとしたソファを配置。ゴルフコースを連想させるグリーンのカーペットが、コースへ向かう動線を自然に導いている。

JGM霞丘ゴルフクラブ クラブハウス棟

ゴルフ場クラブハウス(浴場・レストラン等)/茨城県稲敷市四箇2002

Use : Golf Club House
Building site : Inashiki, Ibaraki
Total floor area :2526㎡
Photo : Munetaka Onodera

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