デザイナーズホテルの改装プロジェクト。短期的なサイクルで流行が変わっていくような、素材を組み合わせたデコレーションでは無い装飾のあり方を考えました。そこで、ホテルの客室には必ずというほど組み込まれている「調光」という機能を装飾化することを試みました。壁に彫り込んだ円形の照明器具によって満月のような光を生み出し、調光によって光を絞ることで満月から三日月に月相が変化する仕掛けをデザインしています。室内の壁と天井のコーナーを左官仕上げで丸くすることで、調光操作によって光の広がり方と室内の雰囲気が劇的に変化します。
月の満ち欠けが海の満ち引き影響するように、体の多くが水分でできている人間へも、体や感情に大きな影響を及ぼすと考えられています。調光という操作によって作り出す光環境と装飾によって、新たなスタイルの客室デザインを生み出しました。
宿泊施設/京都市中京区
Use : Hotel
Building site : Kyoto
Total floor area :51㎡
Photo : Kubo Tsushima Architects